ECRS(イクルス)の法則とは?ECRSを用いた業務改善のステップを解説
2023・12・06
労働力の減少が企業や社会にとって大きな課題となっている昨今、効率的かつ効果的な業務プロセスの構築、日々の改善活動は企業の成長のために不可欠な要素です。
「業務改善の必要性はわかっているけど、何から着手すべきかわからない・・・」という方にぜひ知っていただきたいのが、「ECRS(イクルス)の法則」です。
この記事では、ECRSの法則の概要や、実際にECRSを用いた業務改善のステップを具体的に解説し、効果的に適用するためのポイントについて詳しく見ていきます。
ECRSの法則とは
ECRSとは、(1)Eliminate(排除)、(2)Combine(統合)、(3)Rearrange(再配置)、(4)Simplify(簡素化)の各単語の頭文字を組み合わせたもので、業務改善の順番と視点を示したものです。従来は製造現場での業務改善の手法として考えられたものですが、それ以外でも応用がきくことから、今ではさまざまな業種・業務の改善に広く用いられるようになりました。
頭文字4つの意味は次のとおりです。
Eliminate(排除)
プロセスから不必要または付加価値のない活動を特定し、排除します。時間やコストの無駄を削減し、全体の効率を向上させることができます。
Combine(統合)
関連するタスク、重複する作業を統合することで、効率を高めることを指します。リソースの最適化とプロセスの改善に有効です。
Rearrange(再配置)
プロセスのステップを、より論理的・効率的な順序に並べ替えることを「再配置」としています。作業の流れが改善され、時間の節約につながります。
Simplify(簡素化)
複雑な手順をできるだけ単純化し、作業の効率を向上させます。人的ミスのリスクが減少し、作業の速度UPが期待されます。
ECRSの法則を適用するステップ
ECRSの法則を適用する具体的なステップは次のとおりです。
1 現状の業務プロセスの詳細な分析
まず必要なのは、現在の業務プロセスを細かな部分まで書き出してみることです。各ステップを明確にし、フェーズごとに関わる部署や人、関連するシステム、データ・書類の流れを把握することが重要です。
2 無駄を排除(Eliminate)する
プロセスを検討し、不必要または成果の少ない活動を特定します。それらの業務がなぜ存在しているのか、排除することによる影響を評価し、可能であれば業務フローから取り除きます。
3 関連する・似たタスクを統合(Combine)していく
関連するタスクや業務を見つけた場合は、これらを統合できるかを検討しましょう。重複するタスクを減らすことで、業務負担を軽減したり、別の業務に充てるリソースが確保できます。
4 業務を再配置(Rearrange)してみる
次のステップは、業務プロセスの流れとタスクの順序の再配置です。ここまでくるとタスク量は必要最低限に絞られ、各タスクの目的も明確化されているはずですので、個別タスクからプロセスに意識を向けて、より論理的・効率的な順序を検討しましょう。
5 業務プロセス全体を簡素化(Simplify)する
複雑な業務プロセスや手順がないかを見直し、よりシンプルな方法があればそれに置き換えます。このステップは作業の効率化はもちろんのこと、新しい業務プロセスをよりスムーズに浸透させることと、運用開始後の人的ミスの削減に役立ちます。
6 実装と評価
改善策を実際の業務に適用し、その効果を評価します。この段階では、変更による影響を監視し、必要に応じて追加の調整を行います。
7 継続的な改善
業務改善は継続的なプロセスです。定期的に業務プロセスを見直し、さらなる改善の機会を探ります。
ECRSを用いた業務改善は、プロセスの合理化と効率化に大きく貢献します。重要なのは、全体の目的を念頭に置きながら、ステップごとに慎重に進めることです。
ECRSの法則を適用する際のポイント
ECRSの法則を効果的に適用するためには、以下のポイントを考慮しましょう。
関係者の参加とコミュニケーション
プロセス改善はチームワークです。関係者を巻き込み、オープンなコミュニケーションを保つことで、実現可能で効果的な改善策を導き出すことができます。また、周りの理解を得るためにも、関係者が早期から参加することが重要です。
段階的な実施
大規模な改革・変更を一度に行うと混乱を招く可能性があります。小さなものから始め、徐々にプロセスを改善していくことが望ましいです。これにより、変更による影響をモニタリングし、必要に応じて調整することが可能になります。
柔軟性の維持
市場や組織の状況は常に変化します。ECRSの法則を適用する際には、柔軟性を保ち、状況の変化に応じてプロセスを調整することが重要です。
継続的な評価と改善
ECRSによる業務プロセス改善は一度行って終わるのではありません。プロセスを変更した後の効果を定期的に評価し、さらなる改善の機会を探ることが必要です。また、的確に改善の評価を測るためには、予めKPI(重要業績評価指標)を設定しておくことも重要となります。
従業員のトレーニングとサポート
新しい業務プロセスや手順を導入する際には、従業員への十分なトレーニングとサポートが不可欠です。効率的と思われる業務プロセスを構築できたとしても、適切に運用に入れなければ期待する効果は得られません。
業務プロセス改善の目的、要点の整理、時にはマニュアル作成などを行い、従業員と足並みをそろえて改善を行いましょう。
ECRSの法則を適用する際には、これらのポイントを念頭に置くことで、より成果が得やすくなります。常に目的を明確にし、関係者を巻き込みながら、柔軟かつ段階的に進めることが重要なのです。
ECRS法則による業務改善で効率と生産性を向上しよう
この記事では、ECRS(イクルス)の法則とその業務改善への応用について解説しました。
ECRSの4つのステップに沿っていくことで、業務フローをより効率的に改善していくことができます。
しかし、改善活動で最も重要なのは「継続」です。組織の状況に合わせて段階的に改善を行い、定期的に評価を行うことをおすすめします。
ぜひあなたの組織でもECRSの法則を活用して、より効率的で生産的な業務フロ―を構築しましょう。
販促業務の効率化には、システム化が有効
今回ご紹介したECRSはさまざまな業務で応用できる業務改善のビジネスフレームワークですが、販促活動など、営業・販促活動の裏側で発生するオペレーションに課題を抱えている場合、システムの導入も有効な方法です。
商品・サービスを消費者に知ってもらう上で、パンフレット・POP・ポスターなどの「販促物」は必要不可欠。しかしながら、そんな販促物を制作する流れは、非常に複雑かつアナログなのが現状です。
販促物の制作には、販促物の企画・管理を担う広報・マーケティング・営業支援部門などの本部と、販促物を利用する営業の現場担当者・支店・店舗、販促物の制作にかかわるデザイン制作会社・広告代理店・印刷会社など、たくさんの人や部署、企業が関わります。
そうした関係者が互いに連携をとり合う必要がある中、連絡手段はいまだにメール・チャットツール・電話・FAX等、受発注の履歴もエクセル頼み・・そんな企業が企業規模・業界を問わず多数あり、販促物を扱う機会の多い小売・メーカー業界を中心に、各社の大きな業務負担となっています。
当社が提供する販促クラウド「SPinno」は、販促業務の効率化を目的に、販促領域に特化して開発されたクラウドシステムです。
販促クラウド「SPinno」の特徴は以下の通り。
販促業務の一元管理と見える化
販促クラウド「SPinno」は、販促物の企画・制作の取りまとめをする本部と、販促施策が行われる営業拠点・店舗、そしてデザイン会社・印刷会社・倉庫などのサプライヤーをクラウド上でつなぎ、データの一元管理と見える化を実現します。
これにより、メールやFAXといった見落としがちな連絡手段は不要となり、販促物の制作に関する進捗状況も関係者間で見える化されます。
ユーザーフレンドリーなUI/UX
特に営業拠点・店舗などのユーザーから多くいただくのは「販促物専用のECサイトのようなUI/UX」というお声。本部と現場の間で意図の共有が容易となるだけでなく、億劫だった販促物の手配業務がショッピング感覚で楽しく行えます。
画像ファイルの検索時間を短縮
SPinno上では、デザインデータなどの画像ファイルが全てサムネイル表示されるので、必要なファイルにスピーディにアクセスできます。
デザイン編集機能
軽微なデザイン修正であればSPinno上で完結することが可能であり、細々としたデザインの微調整にかかる費用と時間を大きく削減できます。
営業担当やスタッフが修正することも可能なので、より迅速で柔軟な修正が可能となります。
ログの可視化
販促品の受発注に関するログを可視化することで、使用頻度の高いアイテムや在庫整理の参考情報を得ることができます。
印刷量の検討、次の販促物の企画・デザインへの参考など、戦略的に活用いただけます。
新たに販促業務の担当となった方や、これまでの業務内容の見直しを行う方、現在ご利用いただいているシステムやサービスから乗り換え先を検討している方は、是非システム化による業務効率化をご検討ください。
投稿者プロフィール
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販売促進部です。
販促やマーケティング・ブランディングなどの様々な情報について、まとめ&発信を行っています。
「販促部門の頼れるパートナー」を目指して、お役立ち情報や販促ネタ、自社の最新TOPICSなどをつぶやいたりしています。
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