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知っているようで知らない、「DIC」と「PANTONE」って何が違うの?

2020・03・30

3月、4月、、本来であれば春という季節で多くの出会いがある時期ですね。

2020年3月末の今、世間ではとても大きな世界的な脅威が差し迫っており、卒業式、入社式など春シーズンのイベントも延期やWEBでの実施を余儀なくされたりしていますが、とはいえ出会いや別れのシーズンであることは変わりありません。

ふと、自分が入社したときのことを思いだしました。

忘れもしない一年目の冬。
先輩から引き継いだお客様からお電話を頂きました。

「デザインのなかのロゴの色がいつも違う色で届いているのですが…」
納品されたタペストリーをご覧になった上でのご連絡でした。

手配し慣れたはずのタペストリーの作成でなぜこのようなことが起こったのか。

心当りはありました。

担当するお客様を持ったことで「先輩よりもいい担当になろう」と張り切り、その手始めにお客様のブランドイメージから

「より厚みや光沢があり、高級感がある生地の方が良いのではないか」
と独断で判断し、提案、採用された違う生地のタペストリーが今回から納品されていました。

しかし、生地が変わったことで発色がくすんだものに変わってしまっていたのでした。

私はすぐに前任の先輩に報告、相談しました。

その際、

・先輩も以前、その生地で作成を検討したこと
・しかしお客様の企業ロゴは多数の配色で構成されており印刷時にロゴの配色が変わってしまうリスクから提案しなかったこと
・このような際は特色指定をもらうこと

そして「事後報告はよくないこと」を優しくご指導頂きました。

その後、手早く再納品等、お客様の対応に一緒にあたって頂いた先輩の優しさは3年半経った今でもはっきりと覚えています。
この経験は今、SPツールメーカーを営業するうえで大きな経験となっています。

前談が大分長くなってしまいましたが、そんな僕のような失敗を生まないよう、今回は【特色指定】について書いていきたいと思います。

①特色指定とは

一般的に印刷を行う際の「色」は

C=シアン
M=マゼンタ
Y=イエロー
K=ブラック

「CMYK」を絵の具のように混ぜることで出る発色によって印刷されています。
プロセスカラーとも呼ばれ、印刷の多くはこの4色を使い、色が作られ、印刷されています。

しかし、なかには上記の「CMYK」だけで出せない色もあります。
金色や銀色、蛍光色などがそれに当たります。
それを表現したい際に使用するのが【特色】です。

【特色】とは

「印刷において、CMYKの4色のインキでは再現できない色を表現する為に調合されたインキ」のことを指します。

印刷内のデザインに特色を使用したい場合は「DIC」・「TOYO」・「PANTONE」などの色見本帳やカラーチップを使用し、「DIC○○番」というように番号で指定するのが通例となっています。

また前述のように企業ロゴなど、配色に厳しい制限があるものなどが入ったデザインの印刷をする場合に印刷工場ごとに生まれる微妙な色の違いやくすみを防ぐ目的などでも
特色指定が行われる場合も多々あります。

②「DIC」・「TOYO」・「PANTONE」の違いとは

ここで気になるのが、「DIC」・「TOYO」・「PANTONE」とは何か?ということです。

皆さんも知らず知らずのうちに「DIC○○番」「PANTONEの○○」というように色指定はしていても、その違いについてご存知の方は少ないのではないでしょうか。

ずばり前述の違いは特色インキのメーカーの違いです!

DIC⇒DIC株式会社(旧大日本インキ化学工業)
PANTONE⇒パントーン社(アメリカ)
TOYO⇒東洋インキ製造

特にDICとPANTONEに関しては、印刷系のお仕事をされている方はなじみが深いのではないでしょうか。また世界共通で使用されているというのも特筆すべき点です。

しかし各々の会社で販売されているインキになので、相互の特色を比較ができる互換表のようなものは現状存在しないようです。

あくまで私の場合ですが、日々の業務の中ではPANTONEより、日本のメーカーであるDICの特色の方が目にする機会が多いような印象があります。

前述しましたように、特色は企業ロゴを使う場合に頻繁に見かけます。

例えばレシピサイトである、クックパッドのロゴ(シェフ帽が印象的なオレンジと茶色のロゴですね。)はオレンジがDIC566、茶色がDIC311と特色が明確に決められております。

また全世界で3億人以上のユーザーがいるTwitterもロゴに関して特色が指定されております。
皆様一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか、青い鳥。こちらはPANTONE 2382Cという特色が指定されております。

普段気にしていなくても実は様々な場面で特色が使われているのです。

まとめ

印刷物を頼んだ際、仕上がりがイメージと違うということは様々な要因から起こり得ます。
また印刷会社によっては一部の特色インキを持っていないということもあります。

ですが、印刷会社のHPにほぼ必ずと言っていいほどこんな注意書きがあります。
「色味がイメージと異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。」と。

こうなってしまえば後の祭り。

しかしご安心ください!往々にして印刷会社は、

試し刷りもしくは色校正という本制作の前のサンプル品を刷る工程が組めます。

ながながと書かせて頂きましたが、冒頭に書かせて頂いたような事態が起きないように、今回紹介させて頂いた特色の話を頭の片隅に置いておいて頂ければ幸いです。

参考:



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