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グリーンプリンティング(GP)認定とは?

2023・06・01

GP認定制度とは

昨今では業界・規模を問わず多くの企業へ、サステナビリティ(持続可能性)を意識した経営が求められるようになりました。

印刷業界ももちろん例外ではなく、2006年には、日本印刷産業連合会によって印刷工場と印刷製品の総合的な環境配慮をすすめるグリーンプリンティング(GP)認定制度が創設され、認定を取得する企業・工場が順調に増加しています。

今回は、そんな「グリーンプリンティング(GP)認定制度」について解説。
印刷物を取り扱う機会の多い販促担当の方、必見です!

グリーンプリンティング認定制度とは

グリーンプリンティング(GP)認定制度とは、日本印刷産業連合会によって制定された印刷業界の環境保護基準「各印刷サービスグリーン基準」に基づいて、客観的な認定を受けることにより、グリーンプリンティング(GP)マークを表示できるようにする制度です。

「環境に配慮した材料かどうか」といった部分的な評価ではなく、「資機材」、「印刷工場」、「印刷製品」のそれぞれに認定制度が設けられ、印刷に関わる全ての工程が総合的に評価される仕組みとなっていることが特徴です。

認定基準の一例には、企画・デザイン段階における「デジタルによる印刷見本出力」などの項目があり、印刷業者はもちろんのこと、取引先となる企業にも環境への配慮を浸透させるような制度と言えます。

印刷工場のイメージ

グリーンプリンティング制度は3つの制度から成り立っている

ここではグリーンプリンティング制度を組成する3つの認定制度について、さらに詳しく解説していきます。

1.工場認定

グリーンプリンティング(GP)工場認定制度は印刷産業界が定めた環境配慮基準(グリーン基準)を達成した工場です。
認定は、GP認定審査員が申請書審査と現地審査を行い、その結果をGP工場認定委員会で審査し、認定の判定を行っています。

GP工場認定制度は、印刷形式により、さらに以下の4部門に分けられます。

  • オフセット印刷部門
  • シール印刷部門
  • グラビア印刷(軟包装)部門
  • スクリーン印刷部門

認定基準は印刷形式により細かく定められており、オフセット印刷部門では有害物質の削減、省資源・省エネルギー、物質循環・生物多様性の保全(持続可能な資源利用、3R、生物多様性保持)など70項目に及びます。

また、地域住民への環境影響(悪臭、騒音、振動等)対策、光化学スモッグの要因とされるVOC(揮発性有機化合物)発生などの大気汚染防止、廃棄物削減、リサイクル推進、地球温暖化防止などが含まれた包括的な内容となっています。

これらの基準は随時見直され、労働安全衛生への配慮や緊急時の対応基準などが追加され、進化を続けています。

2.資機材認定

グリーンプリンティング(GP)資機材認定制度は、印刷工場が購入・使用する資機材を環境配慮基準に基づき認定する制度です。
認定対象となる資機材の品目は以下の通り。

  • 洗浄剤
  • エッチ液
  • 印刷版
  • 現像機
  • セッター
  • 製版薬品
  • デジタル印刷機

上記に該当する印刷資機材のメーカーからの認定基準適合証明書を元に、環境配慮度合いの達成点数を算出し、3段階のGPマークが表示されます。

GP工場(オフセット部門)では、認定されたGP資機材を使用することが認定基準となっています。

3.印刷製品認定

GP認定工場にて、認定資機材を用いて作られた印刷製品には、環境配慮された印刷工程を経た印刷製品である証として、GPマークが表示できるようになります。

双葉を模した緑の「GP」のマークの下には認定された工場の番号が入り、マークの上には青い星が入ります。
環境配慮の度合いにより、1つ星~3つ星まで種類があります。

また、チラシやパンフレット等の紙類はもちろんのこと、パネルやラミネート加工を施した製品にも表示することができます。

グリーンプリンティング認定と表示のメリット

GP認定は、印刷を行う企業と印刷物を利用する企業・個人、双方にとってメリットがあります。

印刷関連業者にとってのメリット

GP認定を取得する過程では、前述の通り企画段階から実際の印刷まで、サプライチェーン全体で環境配慮がなされているかを見直す必要がありますので、認定を取得・更新することで高度に環境配慮された事業活動を行うことができます。

SDGsの目標と照らすと、主には「12:つくる責任 使う責任」に対応できる他、VOCの発生抑制、省エネ化、水なし印刷、森林保全に配慮した資材の使用などを通して、さまざまなSDGs実現に寄与することができます。

印刷物を利用する企業・個人のメリット

印刷物を利用する側にとっても、主にはSDGsの「12:つかう責任」の実現に寄与することができるだけでなく、GPマークを印刷物に表示することにより、企業・個人としての環境保全に対する意識を対外的に示すことが可能となります。

また、日本印刷産業連合会では年に1回、GP認定制度を積極的に活用・普及したり、認定基準を満たす資機材を多く提供している企業・団体などを対象に、GP 環境大賞・GP マーク普及大賞・GP 資機材環境大賞を選出・表彰しています。

2022年には、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、株式会社ジェイアール東日本企画、日本航空株式会社、国分グループ本社株式会社といった企業が自社のパンフレットや商品等にGPマークを表示したことで、表彰を受けています。

GPマークにより寄与できるSDGs指標一覧

まとめ

グリーンプリンティング制度は日本印刷産業連合会によって創設された国内の認定制度ではありますが、SDGs実現に寄与することを目的として、各工程に細かな基準を設けられた非常に高度な制度と言えそうです。

また、認定基準の見直しも順次行われていくようなので、認定を受けた工場や資機材は、常に時流に沿った、高い水準で環境配慮された事業活動にアップデートしていくことができます。

私たち使う側においても、こうした制度について学びながら、適切な印刷物の発注・利用を心がけたいですね。

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投稿者プロフィール

倉林宏樹
倉林宏樹クラウド事業 営業推進Department Manager
神奈川県出身。2013年のSPinnoの前身となるアルテック社に入社。以降、販促ソリューション事業にて、消費財メーカーや多店舗展開企業向けに販売促進に関わる企画提案の営業として従事。その後、クラウド事業部にて大手企業を中心に販売促進に関わる業務最適化のソリューション営業を行う。現在は営業推進にてマーケティング、インサイドセールスを管掌。
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