【2025年10月】SPinnoオフラインユーザー会 開催レポート
2025・11・06
2025年10月23日、販促クラウド SPinno のユーザー企業を対象としたオフラインユーザー会が開催されました。
今回、2020年以降では初となるオフライン開催でのユーザー会。
店頭販促のスペシャリスト3名をお招きしたパネルディスカッション、ご参加企業間の交流会など、リアルだからこそできるコンテンツを盛り込みました。
本記事では当日の様子をレポートさせていただきます。
SPinnoオフラインユーザー会 アジェンダ
今回のオフラインユーザー会は以下のアジェンダに沿って行われました。
- 開会の挨拶
- パネルディスカッション
「自社の強みを活かすためのトレードマーケティング最前線」 - テーブル交流会 ~パネルディスカッションを受けて~
- 名刺交換会
パネルディスカッション「自社の強みを活かすためのトレードマーケティング最前線」

パネリストのご経歴紹介
今回ご登壇いただいた3名のプロフィールは以下の通り。
■トレマ株式会社 代表取締役 井本 悠樹 様
経歴:P&Gジャパン、ジョンソン・エンド・ジョンソン
主要ブランドのトレードマーケティングマネージャー
■株式会社フェズ リテールパートナー本部
リテールマーケティング部 グループマネージャー 髙芝 誠 様
経歴:株式会社スギ薬局 販促部部長、DX戦略本部デジタルマーケティング部部長
■ 株式会社Mizkan 営業企画部門マネージャー 一柳 圭 様
経歴:株式会社Mizkan 販促企画・商品企画・宣伝・
メニュー開発・産学連携・量販営業を担当
カネテツデリカフーズ株式会社 マーケティング部マネージャー
それぞれ異なる強みを持つお三方に、「自社の強みを活かすためのトレードマーケティング最前線」というテーマでディスカッションをしていただきました。
トレードマーケティングとは?
今回のテーマでもある「トレードマーケティング」とは、従来のショッパー(消費者)に偏ったマーケティングとは異なり、バイヤーや卸のインサイトを意識した、より実践的なマーケティング手法です。
キーワードは、「この商品は『売れる』か?『売りたい』か?」ーーこのバイヤーの最も根本的な問いに応えることこそが、次世代に求められる提案営業である、というのがトレードマーケティングの基本的な考え方です。
例えば、あるエナジードリンクのメーカーがキャンペーンとして安価に商品を提供するとバイヤーへ提案したとします。
この提案をバイヤーの視点で見ると「このエナジードリンクが通常よりも安価に提供されることで、より価格の高い他のエナジードリンクが売れなくなり、全体としては損失となるかも」という見方をする可能性があります。

この値下げのストーリーを、「エナジードリンクを日々飲む既存顧客ではなく、未使用層を狙うための施策である」と提示するだけでも、バイヤーからは「追加利益につながるかもしれない」と判断されやすくなります。
このようにバイヤーを意識したストーリーを練り、納得のいく提案をするのがトレードマーケティングです。
また、バイヤーの「売れるのか」の問いに応え、納得度を高めるためには、ショッパーインサイトの視点も重要です。
ショッパーの来店タイミングや、業態ごとのニーズ変化を理解し、それぞれのシーンに合わせた最適な提案を作ることが、よりバイヤーを納得させ、「売れる」という確信へつながるとしています。
ディスカッション概要
トレードマーケティングの考え方を踏まえた上で、以下のようなテーマで3名の登壇者が意見を交わしました。
1. 小売バイヤーのインサイト変化
バイヤーが「データ」を重視する時代へ
・従来の”値下げ”に頼った商談は、減少傾向。POSデータなど数値で語ることが求められる。
・一方、データに強いバイヤーとそうでないバイヤーとの間で、格差が生まれている。
・データ重視だからと言って、「メーカー調べ」は危険。 独自調査は多くのメーカーが取り入れているがバイヤーとしては食傷気味。
なぜその結果が出たのかという仮説(ショッパーインサイトやトレンド背景)をストーリーとして付加することで説得力が増す。
2.ショッパーの変化とファンづくりの重要性
Z世代が数年内に消費の中心へ
・コロナ以降、ショッパーは「計画購買」の傾向。来店前に調べ、購入するものを決めている
・現在の主な購買層は50〜60代だが、Z世代がもうすぐ家族を持つ購買の中心世代になる
・Z世代に対してはリアルな体験を通じた「ファン化」が重要。既存の成功体験にとらわれず新しい仕掛けが求められる
・各メーカーではそうしたZ世代への施策として、また計画購買の対策として
SNSやデジタル施策に注力し始めているものの、バイヤーはまだ及び腰と感じる
・新たな取り組みをバイヤーに納得感を持ってもらうには、
協力的な店舗でのスモールスタートを経て、その実績データを元にした説得も重要
AI・デジタルの融合による今後の販促
店頭販促はより効率的に、データドリブンに
・AI活用の試み – ECサイトや口コミの数千件のコメントをAIで分析し、顧客の声を反映した店頭POPを作る試みが進んでいる。
・運用効率化が急務 – オペレーションコスト削減の観点から、デジタルサイネージなど、販促物の入れ替えを効率化する動きが加速。
・リテールメディアの台頭 – 2016〜17年頃から店舗を「メディア」として活用する考えが拡大。
店舗で得られるデータの活用・収益化により、リアル店舗の価値は高まると予測。
テーブル交流会・名刺交換会
パネルディスカッション終了後は各テーブルへ登壇者が1名ずつ加わり、自己紹介とパネルディスカッションを受けた感想シェア・質問タイムへ。

参加者からは以下のような質問が上がっていました。
- どうしたら小売店で販促物を設置してもらいやすくなるか?
- 計画購買の時代に、店頭販促でできることは?
- POSデータを小売店側からもらうためには?
- アプリやメディアには注力しているものの、どうしたら「集客」につながるのか
また、販促クラウドSPinnoのユーザー同士ということもあり、システムの活用方法についての情報交換や、「いかに組織を巻き込んでSPinnoを使ってもらうか」といったシステム活用に関する意見交換も行われていました。
名刺交換会でも積極的に登壇者に質問に行く参加者が多く見られました。
参加者から寄せられた感想
終了後のアンケートでは、参加者からさまざまなお声が寄せられました。一部を抜粋してご紹介します。
- 日頃の課題や悩んでいることを現場の経験を交えて教えていただけてありがたかったです。
- メーカーのエゴにならないよう、カテゴリー全体を底上げできるような提案ができるようしていきたいと思った。
- 他社の販促担当者と接点を持てる、貴重な機会でした。
特に、「他の企業も同じような悩みを持っていることがわかってよかった」というお声が多く寄せられたことが印象的でした。
また、今回はご契約企業だけでなく、導入検討中の企業様も多数ご参加くださり、「SPinno、導入してみてどうですか?」と利用企業の生の声を聞かれている姿も目立ちました。
久々の開催となり手探りな中で行われたオフラインのユーザー会でしたが、登壇者、ご参加者の皆さまのご協力により、有意義且つアットホームな会となりました。
今後は会の目的ごとにオンラインユーザー会とオフラインユーザー会を使い分け、さらなる改善に努めていく所存です。
ぜひ次回以降も楽しみにお待ちいただければ幸いです。






