いまさら聞けないWeb3.0のやわらかい解説
2023・01・30
こんにちは。Web3.0という言葉をご存知でしょうか。ここ数年でWeb・IT関連のニュースでチラホラ見かけるようになりました。
Web3.0は、2014年にイーサリアムの創設者であるギャビンウッド氏が提唱した言葉です。
日本においては2022年6月に発表された内閣府の「経済財政運営と改革の基本方針2022」(2022年12/28 参照)にて、その推進に向けた環境整備を検討を進めるとされていて、近年大きく注目を集めている概念です。
今回はこのWeb3.0について解説をします。
Web1.0、Web2.0とは
まずはWeb3.0の前に、従来の概念であるWeb1.0とWeb2.0について解説します。
Web1.0:片方向の情報発信時代
Web1.0はインターネット黎明期のWebのことです。
90年代のインターネットといえば、パソコン、通信機器、インフラのどれもが性能が低い時代です。この時代のインターネットは予め決まったコンテンツが掲載されているWebサイトを見るだけ・読むだけといった利用が主でした。
個人用のホームページや企業のコーポレートサイトが主な例です。情報の発信者がホームページの作成者や企業にだけ限られていた、そういった「昔のインターネット」な世界観がWeb1.0と呼ばれています。
固めの表現で言い換えると「片方向の情報発信」がメインだった時代です。
Web2.0:プラットフォーム中心の時代
Web2.0はWeb1.0にはなかった双方向性が特徴です。
使いやすいUIが良いものとされ、技術の大きな進歩に合わせてブログやSNS、動画サイト、ECサイトなどの参加型のコンテンツが発展しました。有名な例としてはYoutube、Amazonといったものが分かりやすいです。
様々なユーザーがプラットフォームに動画を投稿したり、商品を出品したりします。そしてそれらを別のユーザーが閲覧しコメントを残したり、購買を行ったりします。
誰かが情報を発信すること、それに反応することが気軽にできるようになりインターネットにおける情報の量や、人々の活動が爆発的に増えました。
上記の例に共通するのは大企業が所有するプラットフォーム上で、ユーザー同士がWebサイトに個人情報を提供しながらやり取りを行うということです。その結果、個人の情報がプラットフォームに集まり、管理されることになったのがWeb2.0の特徴といえます。
ではWeb3.0とは?
ではWeb3.0とはいったいなんなのか。
Web3.0は分散型のWebサービスを主流としたインターネットのことです。
Web3.0ではWebサービスへのアクセスに個人情報の登録は不要で、購買の記録はプラットフォームではなく、それぞれのユーザーが持つ暗号資産ウォレットに記録されるようになります。
Web2.0ではサービスを利用するには個人情報の登録が必要でした。氏名や住所、クレジットカードの情報にサービスの利用データなど、ほとんどの情報がプラットフォームとそれを所有する企業に管理されていました。
Web3.0ではサービスを利用するために必要な情報や、そこで発生する情報のやりとりの管理が、個人に分散されることとなります。一つの大きな企業に多数の個人情報が集約・管理されるデメリットが少なくなる、という点が大きな特徴となります。
Web3.0を知るためのキーワード
Web3.0を理解する上で役に立ちそうなキーワードを紹介させていただきます。
仮想通貨
ビットコインや冒頭で紹介したギャビンウッド氏が創設者であるイーサリアムなど、世界には既に沢山の仮想通貨が開発され、利用が始まっています。ニュースでは仮想通貨の取引といった投機的な話が目立ちますが、ブロックチェーン技術を活用した仮想通貨はWeb3.0における様々なサービスの利用に関わる重要な要素です。
Web3.0ブラウザ
ブラウザはインターネット上のコンテンツに参加する上で欠かせないツールです。Web2.0ではGoogleなどのプラットフォーマーが用意したブラウザを利用しWebサイトにアクセスし、個人情報を登録し、ユーザー名とパスワードでログインをするのが一般的です。
しかし、こうした情報はサーバーに集約されるため、サイバー攻撃やハッキングなどが行われると莫大な個人の情報が流出してしまうというデメリットがあります。
Web3.0のブラウザではウォレットという機能が備わっていて、Webサービスの利用はウォレットを使って行います。そのため個人情報を安易に提供することなく、Web2.0よりも高いセキュリティを得ることができます。
Web3.0ブラウザは個人情報を守る
またWeb2.0ブラウザでは閲覧履歴など様々なユーザーの情報がトラッキング・収集され、追跡されていました。
これはブラウザだけではなく、Webサイトに設置されているトラッキングスクリプトの働きでもありますが、Web3.0ブラウザではこうしたトラッキングをブロックし個人情報の流出を防いだり、Web閲覧時に表示される広告の表示をコントロールすることなどが可能です。
Web2.0ブラウザにもトラッキングを拒否する機能はありますが、Web3.0ブラウザではデフォルトでこうした機能がオンになっています。
Web3.0ブラウザでは個人の情報を「集める」から「守る」という側面に重きを置いていることが特徴となっています
ウォレット
Web3.0ではWebサービスの利用に個人情報の登録は不要と説明しました。代わりに自分のもつ仮想通貨(暗号資産)のウォレットというものを接続し、サービスの利用を行います。
ウォレットはそれぞれのユーザーに固有のブロックチェーンのアドレスで、ブロックチェーン技術が用いられたサービスに参加するための端末のような概念です。
端末といっても実際に何か特別なデバイスを使うというわけでありません。インターネットにアクセスする際に使用するブラウザにもウォレットの機能を持たせることが可能です。このウォレットには取引を行った記録と自分のもつ暗号資産が保管されますが、ブラウザに入力した個人情報のように、そうした中身の情報がプラットフォームに勝手に収集されるということはありません。
デバイスは不要と書きましたが、ウォレットにはいくつか種類があり、リアルで持ち運び可能なハードウェアウォレットというものも販売されています。データの保管を行うデバイスという意味ではUSBメモリに似ていて、形状や大きさも手軽なサイズでできています。
おわりに
Web3.0について私が重要だと思ったポイントを簡単に解説しました。
暗号資産は、まだまだ一般利用が浸透しておらず「知っているけど馴染みがない」といった方や、投機としての仮想通貨取引のイメージが強く「聞いたことはあるけどなんか怖い」といったイメージを持つ方が多いです。
本来の仮想通貨は、個人のプライバシーが重要視される時代において個人の情報を守り安全に活用しながらサービスに参加していくために生み出されたものであります。
NFTなど暗号資産を利用したサービスは着々と増えており、次世代のインターネットの重要な要素として今のうちにチェックしておいたほうがいいと思います。
気になった方は是非、Web3.0やそれに関連したキーワードで情報を探してみていただけると幸いです。
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販売促進部です。
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