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良い販促物をつくるために
~第二回 消費者の購買行動の変化~

2016・11・16

こんにちは。
11月に入り、急に冷え込んできましたね。

スーパーに買い物に行った時に
鍋物が売り出されているのを見て冬の到来を感じます。

それ販編集部の和田です。

前回から良い販促物を作るための情報をお届けしていこうということで
連載式で執筆を始めました。

第一回では拙文ながら「販促物の役割」について、述べさせてもらいました。

今回は、消費者の購買行動の変化と題して、
ざっくりした日本の消費文化の大きな流れを俯瞰して見てみようと思います。

今回は販促物をつくる上では、あまり関係ないかもしれません。
雑学程度にお楽しみ頂ければ幸いです。

高度経済成長期の頃から

早速、高度経済成長期あたりから
消費文化というものをを眺めてみます

高度経済成長期は、
だいたい1950~1970年代あたりの時代を指しています。

戦争が明けてまだ間もなく、
「モノ」が少ない状態の日本ですね。

そのため、この時代は「モノ」はいくらあっても足りない状態でした。

極端に言えば、
「生産すればその分売れる」状態だったということです。

その分、消費者側も大量消費的な志向が強まっていきました。

しかし、「モノ」がある程度満たされると、
今度は消費者が買うモノを選ぶようになります。

それに準ずるように企業側は選んでもらうための策を講じます。

マーケティングというものが重要視され始める

そこでマーケティングという概念が日本でも台頭してきました。
それに伴いマス広告が全盛の時代を迎えます。

年代でいうと80年代~90年代あたりでしょうか。

マーケティングに力をいれて、
われ先にと、自社の製品を世に知らしめることに注力をし始めたのです

まずは商品を知ってもらわないと選ばれることもないからです。

多くの有名なテレビCMや、
キャッチコピーが生まれたのもこの時代ですね。

消費者に選ばれるために「ブランドイメージ」が、
少しずつ重要視され始めた時代でもあると思います。

この頃から買うモノを選ぶ基準が「モノ(機能性等)」ではなく、
そのモノに付随する「情報(ストーリー、体験等)」に遷移し始めていきました。
(ここで言う「情報」は、よく「コト」と言われたりしているものですね)

便利なだけでなく、有名なブランド品や、
メーカー品を好んで買う傾向が強まったのです。

戦後で言えば、海外やアメリカ製品などが好まれたりもした。

そもそも最古の日本では大陸からの品々を
宝物として扱ったりもしていたわけですし、

もともと何がしかのブランド品というものが好まれる時代というのは
日本の歴史上では珍しいことではありませんでした。

しかし、それらの傾向が富裕層だけでなく、
一般的な庶民の間までも浸透したという意味では、
昭和後期~平成のこの時代が特に目立った時期ではないでしょうか。

情報産業が発達し、携帯電話やインターネットの普及が始まる

90年代後半になると情報産業が発達し、携帯電話やインターネットが一般に普及しはじめます。

Windows3.1、そしてWindows95、98の登場で、
一般家庭や教育の現場にもインターネット環境が爆発的に広まったのです。

これまで企業側が一方的に情報を発信し、
テレビやラジオといったチャネルで受け取るだけだった情報を
インターネットを利用して能動的に得ることが出来るようになった、
その時代の始まり、インターネット黎明期ですね。

まだまだPCの性能が低く、
携帯電話もインターネット機能が使えるようになるには時間がかかりましたが、

それまでワープロの代替機としてや、
ビジネス目的がPCや携帯電話の購入の大半だったのが、
自宅でのインターネット利用など
趣味のために購入する消費者が一気に増えたのもこの時代です。

iMacが登場したのも1998年ですね。

インターネットのメディア化、情報の加速

さらにインターネットが発達し、
ネットが消費者の購買行動にも大きく影響を生み始めた時代が到来します。

2000年代後半~2010年代にはモノを買う前にネットで情報収集を行ってから買う、
という流れが一気に強くなりました。

電話通販からインターネット通販へと通販の主戦場は代わり、
楽天やAmazonの台頭で、どこでもいつでも好きなものが買える

「ネットで探す」、という行為が当たり前になり、
口コミなどが強い影響力を持つようにもなったのです。

企業が発信する情報だけでなく、
消費者自身の客観的な意見や感想が簡単に手に入るようになりました。

SNSなども登場し、ますます情報が飛び交う時代になったのです。

そして今、
SNSの影響増大、一人ひとりがメディア化する

口コミの影響力の増大
それをさらに助長したのがSNSです。

SNSの普及によって、一人ひとりがメディア化していったと言えます。

企業が発信するよりも圧倒的に早いスピードで、
商品のレビュー、評価、もしくは悪評などが広まるようになりました。

その結果、
企業側は消費者自身の発信に対して、
注意を払う必要が出てきたのです。

企業は自社にとって、
有利な情報が拡散されやすい状況にするために、
顧客の「ファン化」を重視するようになりました。

SNSでのプロモーション手法が最近では
メジャーな販促手法になりつつあることは、

先日のアメリカ大統領選において、
SNSが勝利の要因の1つとして挙げられることからも明らかだと思います。

国の行方を決める選挙においてすらSNSが活用される時代です。

ネガティブな例ではありますが、
トルコの未遂に終わったクーデターや、

1年前に起こったパリでの同時多発テロにもSNSが活用されていたというのは有名な話です。

買うため、選ぶため、基準をネットに求めている

何かを買う、という選択をする際に、
ネットの情報を確認する。

自分の選択を最大限、合理化するための理由を、
皆が必死に探すようになりました。

と個人的には思います。

これは、企業から提供される「モノ」の品質水準が非常に高くなり、
しかし自由競争のもの、多くの企業が同じ市場、製品の中で
価格競争とブランドにより差別化を行った結果でしょう・

他にもエコ志向やミニマリズムの高まりなどもありました。

「良いモノを少なく買う」「買い物で失敗したくない」という
流行りや傾向もあるでしょう。

購買行動の変化の振り返りと無関心化への変化

こうして振り返ってみると、
買うモノの選択基準にその時代の価値観が投影されているように感じますね。

簡単にまとめたのが下図です。

img

これまでの話に加えて最近出た面白いデータがあります。
このデータが最新の消費行動の特徴を顕著に表しているのではないかと思います。

参考記事:日本の消費者は「無関心化」している?
アクセンチュアが語る衝撃の調査結果とその対処法とは

この記事によると、

実は、先進諸国の消費者ほど、
商品やサービスに対して無関心化しており、
購買前の情報収集をしなくなる

という調査結果が出ているようです。

面白いことに、先ほどまでお話していた消費行動とは、
全く逆の傾向が見えてきているのです。

この背景にあるのは、
情報過多に対するある種の「諦め」のようなものです。

先進国では市場が成熟している傾向にあるため、
どの産業でも品質は一定の水準に達しています。

先ほど少し触れたように、
先進国では、消費者からすればどの商品を選んでも
一定の満足は得られる状態になっているということです。

消費者は「いくら事前に情報収集しても変わらない」という
悟りを開いてしまったのかもしれません。

個人の嗜好や情報感度にも左右されるため、一概には言えませんが、
あくまで傾向から見ると、
今後の消費文化の兆しが垣間見えるように感じます。

この変化は、販促においてどのような意味をもたらすのでしょうか。
次回こそは、販促物の市場について書きたいと思います。

次回記事はこちら↓

 

投稿者プロフィール

それ行け!販売促進部
それ行け!販売促進部それ販ブログ管理人
販売促進部です。
販促やマーケティング・ブランディングなどの様々な情報について、まとめ&発信を行っています。
「販促部門の頼れるパートナー」を目指して、お役立ち情報や販促ネタ、自社の最新TOPICSなどをつぶやいたりしています。
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