販促資材の廃棄コストを減らすには?エコな販促活動の実現
2025・05・16

目次
環境意識の高まりで問われる、店頭販促のあり方
近年、環境意識の高まりにより、企業の販促活動にも持続可能性が求められるようになっています。
しかし現場では、過剰な在庫や陳腐化によって未使用のまま廃棄される紙・プラスチック製の販促物が後を絶ちません。
こうした無駄はコストの増加だけでなく、環境負荷の観点からも大きな課題です。今、企業には「つくりすぎない」販促戦略が求められています。
“とりあえず多めに”が招く、販促物の在庫リスク
ロット発注によるコスト効率や、現場の「販促物が足りないと困る」という不安。
これまでの企業の販促活動ではこうした背景がベースにあり、多くの販促担当者は「少し余るくらいがちょうどよい」という考え方が浸透してきました。
しかし、そうした慣習や”善意”が結果的に在庫過多や廃棄リスクの問題につながってしまうケースが少なくありません。
企画ごとに少しずつ余って積み上げられた販促資材がどのような企業リスクにつながるのか見ていきましょう。
販促物を余らせることで起こるリスクとは?
- 過剰在庫で余計な費用が掛かってしまう
- 店舗や現場で使用されないまま放置されてしまう
- 資源のムダ使い、ごみの増加につながる
過剰在庫によるコストの増加
販促物の大量発注は主に、ロット価格が理由で行われることが多いですが、必要以上の在庫が増えてしまうことで、保管費、償却費、廃棄費用など、かえって余計なコストを招く原因になります。「販促領域に見えにくいコストがかかっていないか?」 まずはそこから見直してみることをおすすめします。
店舗や現場で使われずに放置される
どのぐらい使われるのか、正確な量がわからないまま製作してしまう結果、「使いきれない、使う場所のない販促物」がメーカーからバラバラと届いて開封すらせず店舗のバックヤードに放置されてしまうことも。こうした状況が繰り返されると、販促の現場で“販促疲れ”が起こったり、”本部との意識ギャップ”が生まれる一因となりかねません。
資源のムダ使い、ごみの増加
大量発注によって発生した廃棄物は、紙・プラスチック・インクといった限りある資源をムダにするだけでなく、ごみ処理コストや環境負荷にも直結します。
サステナビリティが求められる今、こうした問題を放置することは、企業としての社会的責任にも関わる重要な観点です。
“いつか使える”は来ない。販促物は鮮度が命
倉庫に眠る“年季モノ”の販促物、見て見ぬふりしていませんか?
大量発注して使われない販促物、倉庫や営業所に保管されたまま、何年も放置されてしまった。必要が不要かも判断できずスペースだけとってしまいます。
売上につながる“本当に必要な販促物”、届いていますか?
販促活動は適切なタイミングが重要です。使わない、使えない販促物を大量に作る一方で、現場が欲しい販促物を用意できないと売上アップの機会を逃してしまいます。
「足りないと困る」から「必要なだけ作れる」へ。新しい選択肢とは?
在庫のムダをなくしたい。でも、必要なときにモノが足りないのは避けたい。
この“相反する課題”を同時に解決する鍵が、オンデマンド印刷の活用にあります。
欲しいときに、必要な分だけの販促物をつくる仕組みを整えるために、まずは以下の2つがポイントです。
- 小ロットの発注を活用する
- 予実管理をしっかりとする
今回は 小ロットの発注を活用する方法の一つとしてオンデマンド印刷についてより詳しくご紹介させていただきます!
オンデマンド制作(小ロット印刷)とは?
大量に作ってもムダになりがちな販促物。必要な分だけつくる時代へ
これまで販促物は「多めに作っておけば安心」という考えのもと、大量印刷されることが多くありました。
しかしその結果、在庫として眠ってしまったり、使われないまま廃棄されるケースも少なくありません。
オンデマンド印刷を活用すれば、必要なときに必要な分だけを制作できるため、こうしたムダを最小限に抑えることが可能です。
オンデマンド印刷の主なメリット
- 必要な分だけ制作
オンデマンド印刷は、必要な分だけを印刷するシステムです。そのため、在庫を抱えるリスクを大幅に減少させることができます。 - 短納期での対応
短納期での制作が可能なため、急な販促活動にも柔軟に対応できます。営業担当や現場が使いたいタイミング、欲しいタイミングに対応! - デジタル印刷の進化
デジタル印刷が進化した結果、品質向上とコスト削減が実現しました。最新の技術を活用することで、さまざまなニーズに応えられます。
“必要な分だけ”をタイムリーに届ける販促体制へ
オンデマンド印刷を取り入れることで、販促物の無駄を減らしつつ、必要なときに必要な分だけを届ける体制が整います。オンデマンド印刷を取り入れることで、販促はどう変わるのでしょうか。
- 廃棄コストが削減される
オンデマンド印刷では、必要な数量だけを制作するため、廃棄物が大幅に削減されます。この結果、環境的な負担を軽減し、企業のイメージ向上に貢献します。 - 在庫スペースが最適化される
在庫を抱えず、必要な分だけを調達することで、倉庫スペースの無駄を無くせます。これにより、保管にかかるコストも削減されます。 - タイムリーな販促活動が可能になる
顧客への提案、キャンペーン、季節やイベント、新商品など、スピード感があり忙しい販促活動に対応できます。適切なタイミングで販促物を提供することで売上向上に繋がります。
販促業務の改善が企業価値向上にも寄与
「作りすぎを防ぐ」「使う分だけ作る」——こうした日々の業務改善は、結果的に資源のムダを減らし、環境への負荷軽減にもつながっています。
近年では、こうした取り組み自体が企業価値を高める要素としても注目されています。
01.ESGへの取り組み
環境、社会、ガバナンス(ESG)に配慮した経営が求められています。企業が持続可能なビジネスモデルを構築することで、信頼と評価を得ることができます。
02.サステナビリティ
サステナビリティに基づく取り組みは、企業の長期的な成長に寄与します。販促におけるサステナビリティとは、素材の選択や製作や生産の見直しによる、廃棄の抑制、コスト削減(資源の有効活用)が典型的な取り組みのケースとして存在します。
03.ブランド価値の向上
環境への配慮を訴求することで、ブランドの忠誠度を高めることができます。消費者は社会的責任を果たす企業を選択する傾向が強まっています。エシカル消費を理解し、消費者に選ばれる企業へ。
オンデマンドで「都度、使う分だけ作る」って、手間が増えるのでは?
在庫のムダをなくし、環境にも配慮できる——理想的な販促運用だとわかっていても、「小ロットで毎回発注するのは面倒そう…」「コストが高くつくのでは?」
そんな現場の声も少なくありません。
こうした不安に対しても、今はそれを支える仕組みやサービスが整いつつあります。よくある「コスト」と「手間」の疑問にお答えします。
価格はどうなるの?高くない?
たしかに大量印刷向けのオフセット印刷では、たくさん刷ったほうが1枚あたりは安くなります。
でもオンデマンド印刷は違います。必要な分だけに絞って印刷できるので、実は少量ならそのほうがコストを抑えられるケースも。
印刷会社や部数にもよりますが、数百部くらいならオンデマンドのほうが割安になることもあります。
欲しい時に作る?都度発注のやりとりするのは大変じゃない?
「毎回の発注や確認が増えて現場の負担になるのでは?」というご不安の声も多く聞かれます。そうした運用をスムーズに行うために発注のフローの整備をしたり、専用システムによる効率化がおすすめです。
オンデマンド×システム運用で”効率化”と”コスト削減”を実現した2つの事例
オンデマンド×システムで「つくりすぎない仕組み」を実現
タリーズコーヒージャパン株式会社様においては、販促物の出荷までにかかる対応の手間や時間、および在庫の保管に伴う廃棄コストに課題を感じておられました。
システム上で利用可能な販促物を本部と店舗でタイムリーに共有し、システムを活用したオーダーと承認のフローを導入することで工数も削減。さらにはオンデマンドの製作会社と連携することで廃棄コストの削減を実現されました。
ポイント
- オンデマンドが得意なサプライヤーとシステム連携
販促業務に関わる、店舗、本部、そしてサプライヤーを一つのシステムに集約し、業務フローの改善を行いつつオンデマンドを取り入れ廃棄削減 - 店舗~本部の依頼や出荷指示を集約し承認はペーパーレス化しスムーズに
- システム上に利用可能な販促物を共有し、利用や設置が向上
データ活用で販促を最適化。倉庫コスト15%削減に成功
株式会社Mizkan Holdings様では、販促物の制作・供給における業務の効率化と、制作~在庫管理といった全体の最適化に取り組まれておりました。
また、同社の場合はただ量を減らしコストを抑えるのではなく、「営業活動に支障が出ないよう、必要なものはちゃんと届き、不要なものを削減する」ということに重点を置かれていました。
そこで、同社ではシステムを導入して発注履歴のログを蓄積・分析に着手。
「使われていない販促物」「再活用できる資材」などを洗い出し、過去資材の利活用と在庫数の適正化を進めました。
さらには必要な分だけ制作できるオンデマンド印刷も取り入れ、
従来の「多めに作って保管する」体制から脱却することにも成功。結果として、倉庫にかかる固定費を年間で約15%削減することに成功しました。
株式会社Mizkan Holdings様 導入事例インタビューはコチラ
販促クラウドSPinnoで販促物の発注を効率よく管理
販促物の一元管理がもたらすメリット
販促クラウドSPinnoは、販促物の管理を一元化し、日々の業務効率を劇的に改善します。
ファイル共有から印刷発注、デザイン依頼まで、すべてが一つのシステムで完結。これにより、時間と労力の削減が可能です。さらに、業務プロセスの透明性が向上し、関係者間のコミュニケーションをスムーズに改善し、販促活動に必要なリソースを最適化・戦略的なプロモーション活動の実現を行うことが可能です。
システムの導入により、業務のデジタル化が進み、情報の一元管理が可能となり、迅速な意思決定をサポートします。さらに、SPinnoの利用により、リアルタイムでの業務状況の把握が可能となり、プロモーション戦略の柔軟な調整が実現します。
SPinnoの導入成功事例で見る効果
食品メーカーの導入企業様では、SPinnoを導入することで販促業務の効率化に成功しました。
従来のアナログな手法から脱却し、数ヶ月で業務コストを25%削減。これにより、プロモーション活動に注力できる時間が増え、売上にも好影響を与えました。
業務プロセスのデジタル化がもたらす効果を実感し、コスト削減とパフォーマンス向上を同時に実現することが可能です。企業は、SPinnoを活用することで、より効率的な業務運営を実現し、成長戦略を推進することができます。さらに、SPinnoの導入により、業務の自動化が進み、ヒューマンエラーの削減やプロセスの改善が期待できます。これにより、企業はより戦略的な意思決定を行い、競争力を高めることができるでしょう。